実際のラストメイクの事例
2026/10/30
終末期ケアやお見送りの現場で注目されている「ラストメイク(エンゼルメイク)」。単に化粧を施すだけでなく、故人様らしさを取り戻し、ご遺族が前を向くための大切なプロセスです。
実際の事例を通して、ラストメイクがご家族にどのような変化や癒やしをもたらすのかをご紹介します。
【事例】長年の闘病生活を経て――「母らしい表情」を取り戻したラストメイクの記録
先日、都内にお住まいのA様からラストメイクのご依頼をいただきました。 お亡くなりになったのは、80代のお母様。約3年にわたる闘病生活の末、病院で静かに息を引き取られたとのことでした。
ご遺族である娘様が一番気にされていたのは、「生前の母の面影が少なくなってしまったこと」でした。
ご依頼時のご様子とご要望
ご自宅でのお打ち合わせの際、娘様は伏し目がちにこうお話ししてくださいました。
「病気が分かってからの母は、薬の副作用や痩せ細ってしまったことで、顔色が土色になり、頬もげっそりとこけてしまいました。生前はいつも明るく、お出かけのときは必ず口紅を塗るような綺麗好きの母だったんです。最後くらい、いつもの母らしい顔で見送ってあげたいのですが……」
闘病が長引くと、お顔の黄疸や乾燥、落胆による落ちぼれが目立つケースは少なくありません。
お母様のお写真を拝見すると、パーマのかかった華やかな髪型に、上品なローズ系の口紅をさした笑顔が印象的な女性でした。
私たちは、「病気の面影を和らげ、ご家族が知っている『いつものお母様』へとお戻しする」ことをコンセプトにラストメイクを施行することにしました。
施行のプロセス
1. 保湿とお顔全体の補正
まずは、長期間の闘病で乾燥したお肌にたっぷりと専用の保湿クリームを馴染ませます。
その後、黄色みや暗さを抑えるコントロールカラー(補色)を使用し、お肌に自然な血色感と透明感を与えていきます。頬のこけが目立つ部分には、光の反射を利用したハイライトと微調整を行い、ふっくらとした立体感を再現しました。
2. 生前の印象を再現するメイク
生前のお写真にあったアーチ型の綺麗な眉毛を再現し、目元は優しく閉じられているようにアイラインを整えます。
リップは、娘様と一緒に選んだローズピンクの口紅を使用。唇の乾燥を防ぐワセリンを重ね、みずみずしさと自然な血色感をプラスしました。
3. ヘアスタイリングと手元の整え
お写真を参考に、ホットカーラーと専用スタイリング剤でふんわりとしたボリューム感を再現。また、意外とご遺族の視線が集まる「手元」も綺麗に保湿し、爪に薄いピンクのトップコートを施しました。
メイク後のご遺族の変化
施術が終わり、ご家族にお顔をご確認いただきました。
お部屋に入られた娘様は、お母様のお顔を一目見た瞬間、思わず息をのまれました。
「……あ、お母さんだ。いつものお母さんだね」
涙を流しながらも、その表情にはどこか安堵の笑みが浮かんでいました。 生前の病床での姿ではなく、思い出の中にある「綺麗好きで明るいお母様」がそこにいたからです。
お孫様たちもベッドの周りに集まり、「おばあちゃん、すごく綺麗」「いつもの口紅だね」と、お顔や手に優しく触れながら声をかけていらっしゃいました。
それまではどこか緊張し、悲しみに暮れていたお部屋の空気が、感謝と思い出を語り合うあたたかな時間へと変わった瞬間でした。
ラストメイクがもたらす意味
ラストメイクは、単にお顔を整える作業ではありません。
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病気や苦痛の面影を消し、穏やかなお顔にする
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生前のその人らしい姿を取り戻す
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ご遺族が「綺麗になったね」と安心して触れ合い、最後のお別れを受け入れる心の準備をする
「闘病中の辛い姿」ではなく、「いつものあの人らしい笑顔」をお見送りの記憶として心に残すこと。それがラストメイクの一番の意義です。
もし「故人様らしい姿で見送りたい」「生前の面影を取り戻してあげたい」とお悩みの際は、無理に抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
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セレモニープランニング東花堂
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